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プレスリリース|2025.12.16
熊本市の都市型ブックホテル
「HOTEL TAU, KUMAMOTO」の
リブランディングをプロデュースしました
株式会社ひらくのプロデュース事業チームが、2025年10月1日(水)に熊本県熊本市にオープンした都市型ブックホテル「HOTEL TAU, KUMAMOTO(ホテルタウ熊本)」(旧 ホテルサンルート熊本)のリブランディングをプロデュースしました。
あわせて、同ビル1階に新設される文学ミュージアム「夏目パージアム」では、コンセプト立案から運営支援までを総合プロデュースしており、2026年2月の開業を予定しています。

ひらくは、「場と機会をつくり、うれしい時間を提供する」を企業理念に掲げ、“文化を喫する、入場料のある本屋”「文喫」の運営のほか、ブックオーベルジュ「箱根本箱」のブックディレクション、雑誌の図書館「COVER」、佐賀県・嬉野温泉「和多屋別荘」内の書店「BOOK&TEA 三服」、山口県下関市の“まちの本屋&ホテル”「ねをはす」といったさまざまな文化施設・宿泊施設のプロデュースを手がけてきました。
今回のリブランディングにあたり、熊本市内の繁華街で長年親しまれてきた「サンルート熊本」を「文化が香り、人々が文化と自然に交わる、街にひらかれた存在」へと再生したい谷脇ビルの想いと、ひらくがこれまで培ってきた“文化的コンテンツを活用した場づくり”の知見が重なり、実現に至りました。
プロデュースのポイントは、以下のとおりです。
① 文化を軸に「まちにひらかれたホテル」へ
ホテルが建つのは、文豪・夏目漱石が熊本で暮らした旧居跡。熊本での体験をきっかけに『草枕』などの作品が生まれた土地でもあります。こうした歴史的背景に着目し、コンセプト「Travel As Unique ~ユニークな旅を~」のもと、文化と旅を結びつける体験設計を行いました。
宿泊者専用ブックライブラリー「TAU Library(タウ ライブラリー)」をはじめ、地域の文化と人々が交わる拠点として、1階には夏目漱石の人物像・人柄にフォーカスした文学ミュージアム「夏目パージアム」を新設します。
② 文化に触れ、旅の捉え方を広げる「TAU Library」のブックディレクションと空間演出
熊本という土地やそこに暮らす人々を知るきっかけを提供すべく、ホテル4階のエントランスには、宿泊者専用ブックライブラリー「TAU Library」を新設しました。
「熊本を歩く」「漱石をほどく」「文化とつながる」3つのテーマに沿って、ブックディレクターが9ジャンル・約2,000冊を選書。さらに、ホテルスタッフのセレクトも加え、合計約5,000冊の本を楽しむことができます。
漱石の日記から引用した“食”にまつわる一節をホテル内の什器にあしらうなど、選書だけでなく空間演出にもこだわり、訪れる人の感性を刺激し、“ユニークな旅”へとつながるライブラリー空間を目指しています。



③ 文学ミュージアム「夏目パージアム」
(2026年2月開業予定、順次情報公開)
“Perseum(パージアム)”は、Personality(人柄)とMuseum(博物館)を掛け合わせ、ひらくが名付けた造語です。文豪・夏目漱石のパーソナリティを入口に、より気軽に、そして深く文学に親しめる新しい文化体験を提案します。ホテルが建つのは、漱石が熊本で暮らし、結婚という人生の節目を迎えた旧居跡。「夏目パージアム」は、その歴史的背景を生かしながら、これまでにないかたちで漱石や文学に触れられる場所として誕生します。
④ 熊本発のクリエイティブも積極採用
今回のリブランディングでは、ホテルのロゴやWebサイトを一新し、土地の空気感と等身大の魅力を生かしたデザインへと刷新しました。熊本出身や熊本を拠点に活動するデザイナーやフォトグラファーなど、地域のクリエイターとも協働し、“Travel As Unique~ユニークな旅を~”というコンセプトを視覚的に体現しています。

ロゴデザイン: KIGI / キギと創造株式会社
| クリエイティブディレクター・植松亮輔氏 コメント |
| HOTEL TAUのロゴは「Travel As Unique」という言葉の意味から引き出してデザインしたものです。このロゴを設計するにあたり、ホテル名のおよそセンターにあたる「TAU」の中に偶然「星」を見つけました。このホテルは新しく熊本の夜に輝く星になればという思いとともに、「三ツ星ホテルだよ」というユニークなメッセージをデザインの中で感じていただければと思っています。旅というものは思いがけない出会いがあったり、偶然なにかを見つけたりするものです。プロセスそのものに面白さを感じながら、旅する感覚でロゴの設計を進めたとてもユニークな体験でした。 |
| KIGI / キギと創造株式会社 |
| 植原亮輔と渡邉良重により設立。企業やブランドのアートディレクションのほか、プロダクトブランド・KIKOFや、ほぼ日とのファッションブランド・CACUMAなどのデザインコンテンツを手掛ける。東京・池尻でギャラリー&ショップ「OFS.TOKYO」を運営するほか、ジャンルに拘らず自在な発想と表現力でクリエイションの新しいあり方を探し、活動している。代官山ヒルサイドフォーラム「all is graphics」展(2022)、宇都宮美術館「KIGI WORK&FREE」展(2017)、大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレに「スタンディング酒 BAR・酔独楽」出品(2018)。東京ADC会員賞(2023,2019,2017)、東京ADCグランプリ(2015)、亀倉雄策賞(11th植原,19th渡邉)等受賞。 |

Webサイト制作:株式会社グライドアーツスタジオ(制作)、白木 世志一(撮影)
| アートディレクター/デザイナー・今村一生氏 コメント |
| 今回はお声がけ頂きありがとうございます。 単純でやさしいウェブサイトであることを第一に、ホテルの個性を伝え、なおかつ今後の情報発信など運用面での実用性を考慮した意匠としました。 余談ですが20年以上前、私はこの近くでバイトをしていたので、ある意味思い出の場所でもありました。これからこの場所がまた別の誰かの思い出の場所になると素敵だなと思っています。 |
| 株式会社グライドアーツスタジオ |
| 1997年設立。創業以来クライアントより直接依頼を受け、少数精鋭のチームでウェブサイトの企画から制作、公開後の運用まで社内でワンストップで手がける。普遍的で人間的な価値観と新しい技術、どちらも大切にしたうえでクライアントの期待を超える表現や演出を行う。 |

| カメラマン・白木世志一氏 コメント |
| かつての熊本市中心部随一の書店敷地が、まさか夏目漱石の旧居だったとは露知らず、恥ずかしながらこの撮影に携わって初めて知りました。130年の時を経て、その跡地に漱石ゆかりの洒落文学拠点が登場することを、同県民として大変嬉しく思っています。この場所がきっと、これからも、街をのどかにし、旅人の心を豊かにする尊い存在になるのでしょうね。 |
| 〈Profile〉しらき・よしかず。1970年5月24日生まれ。商業カメラマン。ホモサピエンス、長男、夫、父。1995年に九州産業大学芸術学部写真学科卒業後、出版社に勤務し編集に従事。2009年より商業カメラマンとして独立。熊本県熊本市出身在住。 |
▼ 施設概要
名称 :HOTEL TAU, KUMAMOTO(ホテルタウ熊本)
所在地 :熊本県熊本市中央区下通1-7-18
[4階]ホテルレセプション、ライブラリー
[5~10階]ホテル客室(全69室)
営業時間 :チェックイン15:00~23:00、チェックアウト11:00
公式サイト:https://tau-kumamoto.com/
運営 :株式会社谷脇ビル(代表取締役社長:佐藤 達郎)