2100年にはなにがどうなっているのだろう。
歴史から推測する、統計で分析する、科学的に仮説を積み重ねる。さまざまなアプローチはあれど、私たちはその道のプロフェッショナルではありません。
ならば、というか、できることは、物語ベースでその世界をつくってみることです。そこからいま現在とのギャップが見えたり、選択肢が(結果的に)増えることになるかもしれない。
そう考えて、1篇のショートストーリーから始まる空間構成を企画しました。
できることは、物語ベースでその世界をつくってみること。
全体の空間と未来のチャペルを構成するパートナーとして、高橋昌之建築設計事務所+ハラヒロカズアトリエを迎えました。
「2100年でも変わらないもの」という企画コンセプトに対し、結婚式で用いられる「布」を用いて会場全体を構成しました。「白で身を包む」という結婚式の歴史において不変のエッセンスも表現されています。
また、建築の観点でいえば、可変的な素材である布で空間を構成することは新しい挑戦でありまさにミライの建築の姿とも言えます。
このように結婚式において変わらない要素のひとつである「布」を使い、さまざまなものが変容することと、変容のなかで残っていくものがあることを表現していただきました。
布で包み込む
展示会に参加した人たちによってチャペルに「FLOWER」が彩られ、チャペルがかたちづくられます。
80年後の未来のあり方を具体的に明言・表現することは難しいですが、移り行く時代・文化や価値観の変化・多様性を布地(結婚式で用いる素材)という普遍的様相で包み込み、柔らかくかたちを変えながらも流動的に対応していく空間が80年後の2100年にあるかたちなのではないかと考えました。
ここでいうチャペルとは、みんなでつくり少しずつ変化する様や、時間の流れにより変化する微かな事象(光・風など)を受け止められる大らかな白く無垢な自然として捉えています。
常にふわふわと漂いながら自然の生き物のように集まってくることで、祝福の場となります。
※FLOWER…結婚式に参加する人の、ふたりを祝福する気持ちをヘリウムガスで浮かばせた布で物体化(具体化)したもの。
2100年のチャペル
ドレス展示のパートナーにはUMIMAE BROTHERSを迎えました。
アクリルボードにペインティングを施すのが彼らのアート表現です。「2100年でも変わらないもの」という企画コンセプトに対し、ドレス自体を制作するのではなく、2100年に向けてドレスを取り巻く社会情勢や環境がどのように変化していくのかを表現しました。
変わらないドレスの姿と変化していくアート作品の対比が、2100年の結婚式においても変わらない本質は何だろうかと問いかけてきます。本企画のメッセージのひとつである「2100年も地続きの未来である」ということを立体感を持って落とし込んでいただきました。
社会や環境がどう変わっていくか
「1.Sustainable/環境に優しいこと」「2.Industry 5.0/つくりかたの変革」「3.Pride/変わらない願い」「4.Future/未来の価値観」という4つのテーマで、ドレスを取り巻く技術の発展や社会環境の変化を表現。
アート作品とドレス、そしてテキストを用いて2100年に至るまでのストーリーを表現し、最後には「2100年の結婚式」におけるドレスの形として家族を護る「ウエディングツリー」を展示しました。衣装協力:株式会社フォーシスアンドカンパニー
植栽協力:日本緑化企画株式会社
2100年のドレス
髙橋昌之
建築家。髙橋昌之建築設計事務所代表。1986年茨城県出身。2011年から西沢大良建築設計事務所にて勤務し、2016年に独立。店舗や住宅を中心に、さまざまな空間を手がける。2020年に、JCD中部支部の第5回中部商空間賞にて金賞を受賞。
http://tkms66.com/
原広和
建築家。ハラヒロカズアトリエ代表。1986年神奈川県出身。2012年から三家大地建築設計事務所にて勤務し、2019年に独立。2019年に、小田原市立豊川小学校内装木質化基本設計・実施設計業務プロポーザルにて最優秀賞を受賞。2020年に、JCD中部支部の第5回中部商空間賞にて金賞を受賞。
https://www.facebook.com/hrkzhr/
設計事務所
高橋昌之建築設計事務所+ハラヒロカズアトリエ
兄・海前英俊の技術と、弟・海前直樹の発想を掛け合わせて、ぺインティングを施すアーティスト兄弟。「Art in hand/持ち運べるアート」をテーマに iPhone ケースをキャンバスにした作品製作を2015年より開始。ふたりの感性と技術により描いた作品は多くのファッションブランドとコラボレートし洋服や塗装を活かした空間プロデュースを手がける。
https://www.instagram.com/ideasandpainting/?hl=ja
アーティスト
UMIMAE BROTHERS
Wedding Park 2100
株式会社ウエディングパーク
〒107-0062 東京都港区南青山3-11-13 新青山東急ビル 6F
ポップアップ型ショールーム「MuSuBu」(2021年)
〒108-0071 東京都港区白金台4-9-19 HAPPO-EN URBAN SQUARE 1・2F
文化複合施設「スパイラル」(2022年)
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23
(2021年)
プロデュース:武藤事務所株式会社、株式会社読売広告社、YOURS BOOK STORE(日本出版販売株式会社)※当時
プロジェクトマネジメント:株式会社読広クロスコム
イベント運営:株式会社八芳園、株式会社読売広告社
会場構成:高橋昌之建築設計事務所+ハラヒロカズアトリエ
メインストーリー:又吉直樹
ドレス展示:UMIMAE BROTHERS
衣装協力:株式会社フォーシスアンドカンパニー
デザイン:しょうのまき
担当:
プロデュース/プランニング:染谷 拓郎
プロジェクトマネジメント/アートディレクション:深井 航
(2022年)
プロデュース:武藤事務所株式会社、株式会社読売広告社、株式会社ひらく
プロジェクトマネジメント:株式会社読広クロスコム
イベント運営:株式会社読売広告社
会場構成:高橋昌之建築設計事務所+ハラヒロカズアトリエ
装飾花:株式会社日比谷花壇
ストーリー:又吉直樹
デザイン:しょうのまき(まっきいろデザイン)
担当:
プロデュース/プランニング:染谷 拓郎(株式会社ひらく)
プロジェクトマネジメント/アートディレクション:深井 航(株式会社ひらく)
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