基本的には既存のフロアのコンセプトをベースの考えに持った上で選書を行っています。
選書したタイミングは2回あり、1回目であるオープン当時の選書ではショップ部分、「COMMONS」と呼ばれている1階の一番広いエリアと、周りの数フロアで約800冊を選書しました。
その翌年の2回目の選書では、生活をテーマにした、生活者のことを理解するというコンセプトで、別のフロアを約600冊選書させていただきました。
考え方は2種類あって、アクティビティと結びつけて選ぶという考え方と、施設自体のコンセプトを因数分解・分類して選ぶという考え方です。それぞれを織り交ぜて行いました。
前者は例えば、キッチンスペースやドラムセットのあるスペースで、そこで行われるアクティビティを想像しながら選書を行いました。
「この本に書いてあることをこの場でやったら面白いだろうな」というような発想です。
後者では、「人とつながる、街とつながる。」というこの施設自体のコンセプトから因数分解して発散して集めたキーワードに伝えたいメッセージを織り込んで分類タグとして言語化したものから、選書を行いました。
このような考え方なので、選書の内容もジャンルもジャンルを表す言葉も独自のものになっています。
でもめちゃくちゃになっているわけでもありません。コクヨさんの考え方を自分たちなりに咀嚼して、それを複数の本で、言葉のつながりを大切にしながら表現していきました。
クライアントの考えを
自分たちなりに咀嚼する
本を選ぶ=贈り物
本を選ぶという行為には、贈り物をする感覚がすごくあると思っています。
文喫の選書サービスもそうなのですが、目の前の相手の考えをしっかり聴いて、その先の未来を想像したり、
一緒に考えると面白そうなことを、膨大な本の知識を使ってお伝えするのが選書という行為です。
だから本当に、いいなと思ったものをお渡ししています。
コンサルとまで言うと大仰ですが、
「もしかしてこれから進んでいく先がこっちにあるかも」という道しるべ・地図のようなものをお渡ししたいなと思っています。
例えば、「生活者」というテーマで本を選ぶのであれば「生活者研究所」がコクヨの中で創設されるかも知れないと勝手に妄想してみる。
「生活者研究所」の研究テーマはたぶんこんな感じになるだろう。じゃあ、その研究をサポートするための本を選ぶ。
こんな感覚を持っています。
クライアントにとっての「未来のキーワード」になっていってほしいなと思って選んでいますね。
けっこう生あたたかくやっています。
贈り物って、効率化してもしょうがない部分と言いますか、
効率化することで価値がなくなるものだと思うんです。
本をパッケージ化して丸っと導入することも可能ではあるのですが、
やっぱり対話することの中にこそ、新しい価値の種がある気もしているんです。
THE CAMPUS
リニューアル日:2021年2月
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