まず私たちが行ったのは、コンセプト「Parkになろう」のひらくなりの再解釈でした。
Wedding Parkの「Parkになろう」という言葉に対して私たちは、
Parkになるとは、『幸せな共有体験をつくること』ではないか
と考えました。
そもそも結婚式や結婚は幸せな共有体験に溢れているものです。それをもっと開放したりアップデートしたりすることが、「Parkになろう」に繋がるのではないかと考えたのです。そして『共有体験』を切り口にすると、参加型や体験型の展示、イベントやワークショップといった、見て通過するだけではなく参加する余地のあるものがポイントになりそうだということをお話させていただきました。
その他渋谷区立宮下公園(MIYASHITA PARK)をどのように使うかという空間全体のプロデュースは、第1回からご一緒している高橋昌之建築設計事務所+ハラヒロカズアトリエと一緒に練っていきました。
Parkになるとは
幸せな共有体験を
つくること
本質を考える、アップデートするために
アートエリアを彩るアーティストには、結婚式や誓いの場の本質を考える・アップデートするという意味で、
「結婚・結婚式×アーティストによる新提案」と「他分野から学ぶ豊かさ・幸せ・共有体験」という
2つの体験が出来るように各コンテンツのディレクションを行いました。
披露宴やそこでの食事についても、「幸せな共有体験」という視点で考え直しました。
フルコースの贅沢な食事もいいけれど、目の前で握ってもらうおにぎりをほおばるという原体験的で純粋な幸せを共有出来たらいいなと思い、おにぎり神谷の神谷よしえさんに出演を依頼しました。人から手渡してもらうごはんの美味しさは、未来になっても変わらない嬉しさだと思うのです。
結婚・結婚式
×アーティスト
による新提案
展示エリアは4つのプログラムがあります。
「1度きりの体験」「10個の問い」「100の誓い」そして「1000人のフラワーシャワー」と一回性の高い体験から多くの人に開いた体験まで用意することで「Parkになろう」のコンセプトを表現しています。■1度きりの体験
このエリアでは1度だけ体験できるイベントを用意しました。
神谷よしえさんによる「ご縁をむすぶ、えんむすび」でのおにぎり「えんむすび」の提供と、曽我大穂さんによる「みみをすます/呼応・対話」という参加型音楽ライブです。
他分野から学ぶ
豊かさ・幸せ・共有体験
「ご縁をむすぶ、えんむすび」
フードアドバイザーであり生活工房とうがらし代表の神谷さんが会場で握ったおにぎりが参加者に配られました。
「百年先まで続くしあわせの食卓の風景」をミッションに掲げて「食」を伝える活動をされている神谷さん。そんな神谷さんのおにぎりを手渡す行為は、「Parkになろう」の言葉とすごく近いような印象を持ち、是非会場で神谷さんにおむすびを手渡していただきたいなと思ってお声がけさせていただきました。
おにぎりを「おむすび」と言い換えると、縁結びの言葉に近いというのも理由の一つです。
おにぎりを食べるときに五感を使ってほしいという神谷さんの想いから、香りと味のバリエーションが一気に広がるゆずごしょうを少しだけ使ったシンプルな塩むすびを配りました。五感を使うことで考えたり感じたりするスイッチにもなりますし、おむすびを通してシンプルに「つながる」ことを追求できるとも考えました。
神谷さんのインタビュー記事はこちらからご覧ください
「みみをすます/呼応・対話」
舞台芸術グループ「仕立て屋のサーカス」主宰の曽我大穂さんにご依頼しました。
今回の「Parkになろう」で音を取り入れたいなと思ったときに、これまで何度かご一緒してきた曽我さんが思い浮かんだのです。「2人以上で鳴らす」というテーマでご相談したところ、2人以上で鳴らす音楽を通じた「対話」を実現してくださいました。
実際、様々な音の鳴る楽器や日用品がずらりと並べられたテーブルには、ライブ中でもそうでないときでも、通りがかった人が引き寄せられて音を鳴らしている姿がたくさん見られました。
曽我さんのインタビュー記事はこちらからご覧ください
■10個の問い
常設の展示として、10個の問いを挙げています。「5組の建築家が創造するミライの結婚式」では、建築家の方々5組に参加していただき、結婚式の披露宴会場や記念写真の撮影・誓いの場などを、建築家視点でアップデートしてもらうという企画を展開しました。
人がどう動くのか・どう使ってもらうかといった建築物のその先を考え実験的な試みをしているこの5組の建築家の皆様に、今回のテーマ・考える課題を出させていただき、「受付」「披露宴会場」「はじめての共同作業」「記念写真撮影」「誓いの場」という5つの結婚式にまつわる要素をアップデートしていただきました。
その他にはアカデミックな目線として、宮沢賢治童話における動物表象研究を行っている神田彩絵さんに「豊かさ」をテーマにした文章を寄稿いただきました。また、一度きりの体験に参加いただいた神谷さん、曽我さんにもそれぞれ「食」「音楽」をテーマに文章をいただいています。
曽我さんには、2人以上で鳴らす楽器も2種類制作していただいています。
それぞれ「対話」が生まれる仕掛けがあり、結婚式という祝いを共有していく実感が得られる作品となりました。
各クリエイターの作品についてはこちらをご確認ください
■100の誓い
誓いの場所は、高橋昌之建築設計事務所+ハラヒロカズアトリエとひらくがプロデュースしました。会場全体を貫くパークロード上にアーティスト・門倉太久斗さんの絵画「理想鉢」を掲げています。
「誓いの場所は自分で決められる」というメッセージに、表現活動の発表をさまざまな場所で行っている門倉さんの作品がマッチしました。
■1000人のフラワーシャワー
そして最後はみんなで体験できるコンテンツとして、天然のフラワーシャワーが体験できる生花で装飾されたドームを通っていただく1000人のフラワーシャワーを用意しました。
また、来場の記念として、好きなお花を詰めて自分らしさを表現するフラワーカプセル作りを体験いただき、お土産としてお持ち帰りいただきました。
花の選定や手配、ドームの装飾は昨年もご協力いただいた株式会社日比谷花壇さんにお願いしました。
Wedding Park 2100「Parkになろう」(2023年)
株式会社ウエディングパーク
〒107-0062 東京都港区南青山3-11-13 新青山東急ビル 6F
東京開催
日程:2023年3月21日(火・祝)〜24日(金)11時〜18時
場所:渋谷区立宮下公園 (MIYASHITA PARK 屋上)/東京都渋谷区渋谷1-26-5
大阪開催
日程:2023年3月28日(火)〜29日(水)11時〜18時
場所:グランフロント大阪 北館1Fナレッジプラザ/大阪府大阪市北区大深町3-1
プロデュース:武藤事務所株式会社、株式会社読売広告社、株式会社ひらく
プロジェクトマネジメント:株式会社読広クロスコム
イベント運営:株式会社読売広告社、株式会社ひらく
会場構成:高橋昌之建築設計事務所+ハラヒロカズアトリエ、株式会社ひらく
デザイン:しょうのまき
担当:
プロデュース/プランニング:染谷 拓郎
プロジェクトマネジメント/アートディレクション:深井 航
一覧に戻る
お問合せ