イベントで重要視しているのも「参加実感」です。特に選書ワークショップは好評です。
オープン後のコロナが落ち着いてきた頃に、ようやく開催することが出来ました。
自分の関わった場所であるということを、参加した人に味わってもらって、その熱をじわじわと広げていく。
施設はよく、運営側と利用者側で想いが分かれがちだと思うのですが、その中間の人を増やしていきたいと思ったんです。
地域創生の分野で言うと関係人口という言い方をしたりすると思うのですが。そういう中間層を豊かにしていくという目的を持っています。「THE CAMPUS」ではコクヨ社員を対象に、文喫 六本木で選書ワークショップを実施しました。コクヨの企業理念である「be Unique.」というテーマで「ユニークであること」ってどういう意味だろうと参加者自身の目線で言葉にしたり、おしゃべりしながら、一緒に掘り下げていきました。
「本が間にあることで話しやすくなる」「本を選ぶこと自体がすごく楽しい」という反応をいただいて、嬉しかったですね。
本を介したコミュニケーションを実際に体験してもらうことで、ライブラリーを使ってくれる人が少しずつ増えていきます。
これまでは「会社に本が置いてあるなあ」くらいの思い入れだった人が、本を選ぶ側の視点に立つことで、
「選ぶ人がいるんだ」「じゃあこの人はどう考えて選んだのだろう?」と言ったようにそこに何かがある理由に想像を巡らしてもらえるようになるので、ファンになってくれる人、運営に近い発信してくれる人、応援してくれる人が増えていくのかなと思います。みなさんとにかくとっても楽しそうでした。
運営側と利用者側の
中間層を増やしていく
選書ワークショップには「対話」の部分が多いので、普段そこまで話し込まない人とも話し込めたりするんです。
もちろん一人で考えを進めたり本を選んだりする時間もあるのですが、その間の重要な場面で必ず対話をセットしていて、2人1組でどんどん対話してもらう形を取っています。やはりそこはすごく盛り上がりますね。
やはり出社率が低くなった時に、一番減るのって雑談なんです。
そして斜めの繋がりも生まれにくくなります。
出社していなくても、縦のコミュニケーションと横のコミュニケーションは自然と生まれますよね。
例えば同じチームの上司と部下。一緒に動いている同僚。
そういうシチュエーションでのコミュニケーションはあるのですが、
「仕事で一緒になることがない別の部署の人」といった関係性の人とは繋がりにくくなっているところがあります。
そういった斜めの繋がりを生み、雑談を蘇らせるために、半分パーソナル・半分パブリックといった建付けのイベントにしてみました。
公式行事ではないけれど会社の人が繋がっていく。斜めの体験を醸成していく。
これは現代の働き方が続いていく上で、今後も意識していきたい考えです。
「雑談」を蘇らせる
コロナの影響も緩やかになってきて、出社率も上がってきているので、せっかくなのでしっかり使いたいということで、社内の有志の方と一緒に企画を立てたこともあります。
コミュニケーションをつくることを大切にするために、コクヨさんが今掲げているキーワードである「誠実な変態」を取り上げたワークショップを一緒にやりました。
他にも、コクヨさんが実施しているサマーフェスという親子向けイベントにも関わらせていただきました。
コクヨ従業員の方を中心としたファミリーデーイベントなのですが、その中で私たちは「夏休み10のヨコク」という企画を実施しました。
親子で夏休みに何がしたいか、予告をしてもらうというものです。
「コクヨのヨコク」というキャンペーンになぞらえて、夏休みに実現したいことを宣言する。予告する。
そうすることで人が集まったり、愚直に実現していくための感覚が出来ていったりという体験を子どもたちにも味わってもらいたいと思って実施しました。
子供に将来の夢を聞いても「アンパンマン」だったり「新幹線」だったり。その場限りのふわっとした答えでしかなくて、明確な想いはわからないじゃないですか。
でも夏休みだったら、「遊園地に行きたい」「山に行きたい」「虫を捕まえたい」と言ったようにやりたいことが明確にある場合が多いと思うんです。
だから夏休みの予告をきっかけに、誰かとつながるということを味わってもらえたらいいなと思っています。
プロジェクトのきっかけは「本のある場づくり」でしたが、「コミュニケーション創出」、「自由な学び」のためのワークショップなど、領域を超えてどんどん繋がっています。
私たちはどのクライアント様に対しても、ただ「本のある場づくり」をしたいという想いでは参画しません。
どうやってより良いコミュニケーションを実装できるか。場の体験をデザインできるか。
領域に捉われない動きを作ってクライアントの「文化的課題解決」をサポートする。私たちはそんなあり方を目指しています。
親子向けのワークショップも
THE CAMPUS
リニューアル日:2021年2月
アクセス:〒108-8710 東京都港区港南1丁目8番35号
公式サイト:https://the-campus.net/
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